『恋するレシピ~理想のオトコの作り方~』のポーラとトリップから実家暮らしからの自立を学ぶ
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実家暮らしからの自立の1つの形を学べる映画
今日は『恋するレシピ~理想のオトコの作り方~』のポーラとトリップから実家暮らしからの自立を学びました。この記事は※ネタバレがあります注意してください。アメリカの映画です。基本的には実家暮らしの35歳の男トリップが親離れ出来ず両親と同居し気楽に暮らしていて自立させるスペシャリストのポーラに両親が依頼して息子を自立させていく話です。
日本とアメリカの親との同居率の違いと捉え方
日本における未婚者の親との同居率(18歳から34歳)
というわけでなかなか実家暮らしの引きこもりニートな自分にとって思うところがある映画を観たわけですがまず日本における親との同居率のデーターをみてみました。
出典 第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)|国立社会保障・人口問題研究所
今回は映画を観るにあたり職業には注目はしていませんが18~34歳の総数の部分は男性でだいたい70%前後、女性で75%前後が親と同居ということが表から分かると思います。ちなみに僕はこの70%前後に2015年代含まれています。
アメリカにおける親との同居率(18歳から34歳)
ではトリップは海外の方なので制作国のアメリカではどうなのでしょうか?以下のサイトによりますとアメリカの18~34歳では約32%が親と同居だそうです。結婚しないのではなく初婚時の年齢の中央値が上がり続けているみたいです。つまり結婚から遠ざかっている若者が多いということでしょうか。
登場人物のトリップは35歳という設定なので上の資料からの対象からは外れてしまいますが僕が言いたいのは僕が含まれている18~34という年齢だと日本とアメリカで結構差があるなという印象です。だから実家暮らしに対するそもそも捉え方が日本とアメリカではだいぶ違うということを頭にいれて観る必要があるのかなと僕は思ったので載せておきます。
この映画から自立を考えてみる
実家暮らしが失恋の原因に?
それでは映画に入っていくわけですがトリップは女性を家へ誘っていくわけですがその女性は実家暮らしであることが判明した途端幻滅して家を飛び出していくシーンがあります。
トリップの恋愛はいつも実家暮らしであることが判明すると失恋に繋がっていたようです。まぁ日本でもなんとなく各自言いたいことはあると思いますがただ上に載せたように30代の男性が実家で親と暮らしているところに女性は連れ込まれたことがとても衝撃的なことだったようです。
これだけが原因では無いと思う方ももちろんいると思います。それはあとでポーラが説明してくれますがトリップには実家暮らしという点以外に原因になりそうな点が特にないのです。
映画内においての息子側の思いと両親側の思い
トリップは友達のエースとデモという2人の友達がいます。2人とも実家暮らしでトリップ含む3人の意見としては実家暮らし最高という意見です。
それに対してある日実家から子供が出ていかない親たちのグループが庭で食事をしています。そこで1組の夫婦が自分のところの子供が自立したというのです。トリップの親は成功の秘訣を聞きたがっていました。そしてそれは“恋人”だというのです。
トリップは毎週違う女性を連れてきていたみたいですが“運命の人”に巡り会うことが成功の秘訣であると言われます。
つまり親サイドは早く親離れしてほしいという意見です。あくまでこの映画ではそういう風な意見に分かれているということです。
両親が選んだ対策
早く親離れしてほしいという意見を持っている両親は息子を自立させるために知人の成功の秘訣をもとにある人物に依頼をします。それは息子トリップにとって“運命の人”を演じてもらうことでした。それを引き受けたのがポーラです。
ポーラから見たトリップと自立できない原因と対策
ポーラ「トリップはナイスガイよ 頭が良くて優しくて陽気 今後が大いに期待できます」
アル「計画通りだな」
ポーラ「あった印象ではここから追い出せそうよ 6月15日までに自立させます」
アル「ハレルヤ!」
ポーラ「自立できない大人が大勢います その原因は自信が持てないからよ」
スー「トーク番組でも話題に」
アル「下らん わしらは時代の波をくぐって自立した」
映画『恋するレシピ~理想のオトコの作り方~』より引用
つまり父アルと母スーは息子が自立をするためにポーラに“運命の人”を演じてもらうことを依頼しているわけです。そしてポーラから見たトリップは外見も性格も特に問題ないのです。後のシーンでわかりますが船のセールスマンという職にも就いていますしアウトドア大好きで引きこもりでもないです。
ではなぜトリップが自立できないのか?というのをポーラは自信を持てていないからであると分析しています。
ちなみにこの6月15日がいつからこの期限をさすのかがわかりませんが一応情報として映画が公開されたのは2006年の3月です。そしてポーラはトリップに対して恋愛を通して自信を持たせ自立を助けるという仕事をしていきます。
恋愛を通して近づく2人と敏感な2人
依頼としてポーラはトリップとデートを積み重ねていきます。その中でポーラが人生でしてこなかったことを体験する中でトリップに徐々に惹かれていきます。トリップはいつも通り恋愛を楽しみポーラに惹かれます。
そんな中ポーラの友達のキットとトリップは敏感にアンテナが働きます。キットはポーラがいつもの顧客と様子が違うことにいちはやく察知するのです。そしてトリップもいつもの流れだともうすぐこの恋愛が終わると察知します。
自然、動物から自立を考える
この映画を通してトリップは3種類の動物に噛まれます(シマリス、イルカ、トカゲ)です。
・シマリスは縄張り意識が強く単独生活を好むという特徴があります。
シマリス - Wikipedia (参考サイト)
・イルカについてはこちらを載せます
授 乳 は2~3年 の 間続 くが,生 まれ て
半 年 ほ どで餌 の魚 も食べ 始 め る。 そ して,お よそ3歳 で
母 親 との 生活 を終 えて,若 者 にまで育 った子 イル カに は
調 教 が行 われ,イ ル カ シ ョーの スター に育 ってい く。https://www.jstage.jst.go.jp/article/arepj1962/47/0/47_14/_pdf より引用
『イルカの子育てと自立』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/arepj1962/47/0/47_14/_pdf (参考サイト)
※ただこちらは水族館においてのイルカについてです。他にはセイウチとかアザラシについても書かれています。
・トカゲは卵の保護はするそうです。爬虫類についての項目は以下を参考にしました。
動物の子育て - Wikipedia (参考サイト)
つまりこの映画に登場する3種の動物に噛まれるということは親から離れないトリップの行動は自然に反している行動なのではないか?という表現のように僕は感じました。
・モッキンバードについて
ちなみにこの映画においてもう1羽動物が出てくるのですがそれがモノマネ鳥です。キットとエースの関係を結ぶのに重要な役割を果たします。
「モッキンバード」は、「物まね鳥」の意味である。和名をマネシツグミという、メキシコなど北米大陸南部に生息する鳥で、他の鳥の鳴き声をまねする性質があることからこの名がある。
モッキンバード - Wikipedia より引用
ちなみにエースもモッキンバードに噛まれます。そしてエースも親離れできていない実家暮らしという点があります。この時のキットのてんぱり具合がとても可愛いです。
徐々に浮かび上がる2人の秘密
ある日喫茶店でトリップ以外の男性と親しげに話すポーラをエースが目撃してしまいます。そして野球を観戦している時にポーラはデモからトリップの甥は婚約者の連れ子で婚約者は亡くなっていたことを知るのです。そしてデモは全てをトリップに話します。
衝突するトリップとポーラ
そして全てを知ったトリップは家を出ていきます。ポーラは追いかけますがトリップは聞く耳を持ちませんでした。依頼を果たせなかったのでお金を返しに家を訪れます。初めてのことに混乱し取り乱すポーラはスーからトリップに恋したことを気づかされます。本気で好きになった人を信じ合えなかったショックでコロラドの実家に帰る決意をするのです。
トリップと2人の友人の違い
トリップ「親元に住む負け犬の助言を聞けと?」
エース「僕の持ち家だ」
デモ「まさか」
エース「相続税対策で数年前にお袋から買った」
デモ「賢い」
エース「デモは“さすらい人”の人生を選んだ 法律上は親と同居だが彼の本籍地は心の中にある 風来坊さ」
映画『恋するレシピ~理想のオトコの作り方~』より引用
動物のところで書いたことにも通じる部分ですが これでなんとなく3種類に噛まれたのがトリップでモッキンバードに噛まれたのがエースなのが分かった気がします。デモは噛まれていない、エースは空気銃(BB銃)で撃つという自分から自然に反抗したことにより噛まれました、そしてトリップは何もしてなくても噛まれていることからすでに自然に反していると表現したいのだと感じました。
母親の本音
スー「立ち去る日を怖れてたわ あまりにも寂しすぎて でもそれは理由の1つにすぎないの お前が去ったあと パパと暮らすのが不安なのよ」
映画『恋するレシピ~理想のオトコの作り方~』より引用
トリップだけの問題ではなく親にも自立問題つながる不安があったようです。父親が仕事を引退してからいつも家にはトリップがいてくれたおかげで夫婦間のクッションの役割を果たしてくれていました。つまり母親はトリップがいなくなり夫婦2人だけの生活に戻ることで夫に嫌われることを怖れていたのです。
この母親の本音にはトリップが自立できなかった問題は個人だけの問題ではなく家族というコミュニティとしての問題でもあるということを物語っている気がします。
全員招集、そして選択の時
ここで関わってきたみんなでトリップとポーラをあるべき姿で恋愛してもらうという作戦を計画するわけです。そして多少強引ではありますが2人を話し合わせることに成功します。“一生楽しんで暮らすか”“私と生きるか”という選択する時が訪れます。
トリップが答えたのはどちらでもありませんでした。気になる方は是非観てください。
噛まないイルカ、取らない浮き輪
そして海でイルカと泳ぐトリップはイルカから噛まれずに何かを言われます。そして浮き輪を受け取らないで笑顔の素敵なナイスガイになりました。
学んだことと書きたいこと
この映画から学んだことはまず親と同居することの捉え方が日本とアメリカで違いがあるということ。紹介できていませんがヨーロッパの同居率の数値もアメリカに近いものでした。
そのうえでこの映画からは自立しないことは動物的には自然に反している生き方なのではないか?という訴えをとても感じました。
そして日本でも昨今話題になりつつあります。しかし高齢化する日本においては同居することで介護を行う、映画の例であれば夫婦間のクッションを実はしている等の役割を果たしている部分もあります。
そのうえで個人の問題ではなく家族、または自分が所属しているコミュニティとしてしっかり問題に取り組んで本人に気づかせ本人が生きていくうえで最善の選択をしてもらうのが人間だからできる自立の1つの形なのだと思いました。
※あくまでこれが自立の形であるというものではなくこの映画をみて学んだ自立の形の一個人の解釈であることをご理解お願いします。
自分が親離れできていない18~34歳に含まれている現実を考えるととても意味のある映画を観れたと感じています。僕の場合は引きこもりの改善、収入の確保、そして自立という3つの流れが必要であると感じました。これらを踏まえていまのライフスタイルを改良できないかすこし挑戦してみます。
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