『ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡』のジェフから運命の捉え方を学ぶ
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30歳ニートが周囲を巻き込みながら成長していく映画
『ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡』のジェフから運命の捉え方を学びました。アメリカの映画です。この記事は※ネタバレがあります注意してください。基本的には30歳の実家暮らしのニートが映画『サイン』の影響で常に何かの「啓示」であると信じて行動していくうちに家族を巻き込んで成長していく話です。
啓示と『サイン』
映画の話に行く前にまずこの2種類を説明しておこうと思います。「啓示」について辞書で調べてみました。
① 明らかに表し示すこと。
② 人の力では知り得ないことを神が教え示すこと。
啓示(けいじ)とは - コトバンク より引用
もう少し詳しく載っている辞書もあるのですけどややこしいので興味がある人は調べてください。今回の映画では②の意味合いの「啓示」に近い使われ方だと思います。
そして『サイン』については映画です。
『サイン』(Signs)は2002年のアメリカ合衆国のSFホラー映画。監督はM・ナイト・シャマラン、出演はメル・ギブソンとホアキン・フェニックスなど。2002年で最も高い収益を上げた映画の一つ
サイン (映画) - Wikipedia より引用
ニートのジェフとすべての始まり「KEVIN」
ジェフは30歳で実家暮らしのニートです。そして上にも載せたように映画『サイン』の影響で自身に起こることが何かの啓示なのではないかと考えながら生きていました。
そしてある日家にかかってきた電話に出たジェフは「KEVIN」と怒鳴られて切られます。彼はそれを紙に書きながら並べ替えます。NEVIK、VIKEN、「KNIVE」に行き着きます。刃物のことです。「Knife」とスペルが違うと思ったのですが複数形は「Knives」となるようです。
ナイフ - Wikipedia(参考サイト)
ちなみに余談ですが他の2つの文字も検索をかけたらアーティストだったり、デンマークの地名がヒットしました。
そして家にある包丁を手に取ると電話が鳴り響きます。その電話は母からで家の棚が壊れたから直してほしい、私の誕生日くらい言うことを聞いてというものでした。
ジェフの兄パットと妻のリンダ
一方、ジェフの兄のパットは結婚もしていて仕事もしていましたが冒険的な性格でした。しかしパットの冒険的な姿勢は自己中心的なものであり、家を買うために現実的に節約してきた妻リンダを無視して車を購入したりしていました。2人の夫婦関係は良好とは言えない状態でした。
動き出すジェフ
母に頼まれた棚を修理するためにジェフは外出します、バスに乗車するさいお年寄りを手伝うなど彼の優しさがみてとれました。
そのバスの中で「KEVIN」という文字が入った服を着た青年を発見します。気づいたらジェフは彼を追い始めていました。
しかし人違いだと言われたジェフは流れで彼とその仲間に母に頼まれていた修理に使う木工用ボンド買うお金を奪われてしまいます。
ジェフの母シャロン
そんな2人の息子を持つ母シャロンは誕生日でした。そしてジェフだけでは頼りなくパットにも電話をして弟を説得してジェフ自身に棚を直させようと頼んだのです。
そんな中、職場のデスクである不思議なことが起こります。紙飛行機が飛んできたのです。その紙飛行機に描かれていたのは「クチナシ」の花でした。
クチナシ - Wikipedia(参考サイト)
いったい誰がこんなことをしているのかシャロンは気になりだします。
動き出す兄弟とリンダそして対立
お金を奪われ仕方なく歩いているジェフはたまたまパットがいたファミレスの前を通り過ぎます。
それに気づいたパットは仕方なく母に頼まれたのでジェフを説得して車に乗せて走り出します。そして2人はパットの妻リンダが別の男性と一緒にいるのを目撃するのです。
気になった2人はリンダを尾行していくうちに気づいたら父親の墓に辿り着いていました。そこでの2人の会話が印象的だったので紹介します。
パット「最近 親父の妙な夢を見るんだ」
ジェフ「本当?」
パット「親父は教師で俺は同級生と一緒に教室で席についている “史上最良の日はいつ?”と親父が聞く “クリスマス”と誰かが言うが親父は“違う”と 間違えた奴は退室する そのうち教室には俺と親父だけが残されて俺にも同じ質問をしてくる 緊張した俺が“分からない”と言うと 親父はほほ笑んで」
ジェフ「“今日だ”と言う」
映画『ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡』より引用
ジェフとパットは中身は違うけど同じような夢を見ていました。しかし2人の捉え方は別々なものでした。
ジェフはパットと同じ夢を見れたことをとても運命的に捉えましたがパットは覚えていないだけで2人とも記憶のどこかにあったことなのかもと現実的に解釈します。
すると後ろで「KEVIN KANDY」というトラックが走りだそうとしていました。ジェフは急いでトラックの後ろにしがみつきます。パットは自分のやり方でリンダを追っていき兄弟は別々の道に行くのです。
動き出す母シャロンの夢と現実
紙飛行機の花が送られてからPCにメッセージが届くようになります。そこには“あなたの隠れファン”と書かれていました。
自分の年齢や環境という現実に自信を無くしていたシャロンでしたが、徐々にこのメッセージを送ってくれているのが誰なのか気になりだし意識し始めます。そして同僚の中にいることが分かったシャロンはより一層気になっていました。
しかしその相手が唯一そのことを話していた同僚のキャロルだったことを知り落ち込みます。シャロンは同性ではなく男性に愛されてたいと願っていたからです。
キャロルはシャロンに大事なことをきづかせてくれるのです。“ありのままの自分を受け入れるべきだ”とそして夢を叶えてくれます。会社のスプリンクラーを作動させキスをするのです。彼女が願った滝でのキスのように。
ありのままの自分に気づいたシャロンはキャロルと会社を抜け出しニューオーリンズを目指します。
パットとリンダの対立
パットが行き着いた先はホテルでした。妻が男性とホテルにいることに絶望します。そこでどうにか部屋に乗り込もうとしますが動けずにいました。
そんな中あるトラックがホテルに辿り着きます、その後ろにはジェフがしがみついていました。こうして再び兄弟は合流し妻のいるホテルの部屋に突入しに行きます。パットとリンダの会話が印象的だったので紹介します。映画の50分くらいの部分です。
リンダ「あのね 1つだけ教えてほしいの」
パット「何だ?」
リンダ「私が他の男といたから怒ったの?」
パット「そうだ そうだ」
リンダ「それとも 私を失うと思って?」
パット「長い質問だな」
映画『ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡』より引用
恋愛はとても難しそうです。ニートなりに考えてみました。つまりリンダは他の男といたから来たのか私を失いたくないから来たのかを質問しているんだと思います。
前者は他の男といないのなら何処にいても心配しないし追ってこないと捉えられます。後者は愛しているから来てくれたのではないの?というリンダの心の訴えに聞こえました。
そして前者に「そうだ」と2回繰り返したパットには愛されていないと判断したリンダは出ていきます。リンダは自分の気持ちをパットに尊重してほしかったようです。
全てが繋がり始める
パットは感じ取ることができるジェフを羨ましがりますがジェフは僕は別に「幸せじゃない」と否定します。
ジェフは父が死んでから“すべてのことに理由を探していた”のです。そして数々の啓示は今日のためにあったのだと考えます。
そして兄に今自分がどうされたら嬉しいか気づかせます。本当はとても“シンプル”なことなんだと。そしてパットは気持ちを伝えるべくリンダの元に向かいます。
しかし酷い渋滞に巻き込まれます、ジェフは兄に直感を信じてとアドバイスをするとパットは走り出しました。そんな走り出すパットを偶然ニューオーリンズに向かっていた母は目撃して追いかけます。
タクシーの中で取り残された運転手とジェフは不思議なことを話します。
ジェフ「ずっと探し求めてきた運命が分かるのって 味気ないね」
映画『ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡』より引用
そして渋滞に巻き込まれていたリンダに追いついたパットは自分の気持ちを伝えます。そこに追いついた母とキャロルが挨拶している最中全力でジェフが走り抜いていきます。
渋滞の原因になっていたのは事故でその事故により車が橋から川に転落していたのです。ジェフは迷いなく飛び込んでいきました。そして子供と親を救います。
しかしジェフは沈んだまま浮いてきません。心配になったパットも飛び込んでジェフを助け出します。
そして家に着いた全員でシャロンの誕生日を祝いました。ニュースで流れていたのは橋で救出された男性の名前でした。それを眺めたジェフは壊れた部品にボンドを塗り棚を修理しました。
学んだことと書きたいこと
ここまで長々と書いて思いましたがこの映画は感じ取る映画なんだと思います。
“ありのままの自分”“直感を信じる”そういうものに目を向けてみるいいきっかけになった映画でした。全ては偶然の積み重ねと言えばそれまでなのでしょうけど「啓示」と捉えるのであれば全ては必然だったのでしょう。
パットとリンダやシャロンのこんなはずではなかったという夢と現実の差がジェフというニートを通していつのまにか埋まっていっている様に感じました。まるで棚の隙間を埋めるかのように。
僕がこの映画から学んだのは自分が探し求めているものは自分がどう捉えるかであんがいそこらへんに転がっているということです。
しかしただ手を伸ばせば届くわけではなく気づいて行動することで届くのでしょう。
それに気づく日を“史上最良の日”と呼ぶのであれば自分次第でその日は作り出すことができるのです。
引きこもりニートという状態の自分にとっては興味深いタイトルの映画でした。しかし正直ニートという設定が必要であったかどうかはわかりませんがいろんな要素が徐々に1つに集まっていくという露骨に作られた偶然が案外面白く楽しく観られました。この映画を観てから『サイン』を観たらまた新しい気づきがあるかもしれません。最後に冒頭のジェフの言葉を載せておきます。
この宇宙ではすべてがつながっている 心を開いていれば啓示を感じられるはず その啓示に従えば自然と運命が見えてくる ジェフ
映画『ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡』より引用
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