ニートが好きだね?

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昨日と違うニートになる。頭はたくさん動かした。手の動くままにやってみるよ。

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『YARN 人生を彩る糸』のアーティストから糸のアートを学ぶ

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糸を用いて表現する映画

『YARN 人生を彩る糸』のアーティストから糸のアートを学びました。アイスランドとポーランドの映画です。この記事は※ネタバレがあります注意してください。

基本的にはヤーン・グラフィティ・アートをはじめ糸を使ったアートについて4組のアーティストから魅力、考え方、表現、問題を追ったドキュメンタリー映画です。

YARNとは

まずこの映画の話にいく前にYARNとはなんなのか調べてみました。

紡績糸、織り糸、編み糸、より糸、(冒険談などのあまりあてにならない)物語、旅行談、作り話

yarnの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書より引用

 辞書によるとこんなところですが映画の冒頭のほうが分かりやすくまとまっていたのでそっちを紹介します。

(名詞)織物や編み物に用いる糸で天然繊維や合成繊維を紡いだもの

(動詞)よくできた冒険譚をたっぷり話すこと

映画『YARN 人生を彩る糸』より引用

 書かれている通りYarnは編み物等に使われる糸のことをさします。そしてヤーン・グラフィティ・アートとはある程度想像ついてくると思いますが調べてみます。

Graffitiとは

グラフィティ (graffiti) は、エアロゾールアート (aerosol art) ともいい、スプレーやフェルトペンなどを使い、壁などに描かれた落書きのことである。グラフィティを描く者のことを、ライター (writer) やペインター (painter) という。

グラフィティ - Wikipediaより引用

よく壁などに書かれている文字や絵のことを指します。所有者や管理者の許可を得ずに描いたりたびたび問題になりますが1970年代のアメリカ・ニューヨーク発祥と歴史もあり落書きなのかアートなのかの線引きは難しいように感じます。

Yarn Graffiti Artについてとこの記事での解釈

この映画の一部はグラフィティを糸を用いて行うヤーン・グラフィティについてのドキュメンタリーなのです。しかしグラフィティの項目に落書きとあるようにアートと捉えるか落書きと捉えるかの問題がグラフィティにはありますが今回この記事ではアートとして取り上げていきます。

またこの映画内においては活動を無許可で行っているアーティストとプロジェクトとして許可をもらいやっているアーティストがどちらも紹介されているためヤーン・グラフィティ・アートと糸を用いたアートはそういう部分では別の物と言えるかもしれません。

ですが紹介された4組のアーティストには糸を用いて表現しているという共通点はあります。それでは映画の話にいきます。

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編み物と女性

4組のアーティストについて

この映画では4組のアーティストが紹介されています。その4組とも女性です。もちろんチームとして活動している場合もあるので男性も登場しますがあくまで女性主体のようにあります。

  • ティナ氏 ヤーン・グラフィティ・アーティスト
  • オレク氏 ヤーン・グラフィティ・アーティスト
  • ティルデ氏 サーカス「シルクール」創設者
  • 堀内紀子氏 「ネットプレイワークス」共同創立者

編み物と女性とアート

アイスランドのティナ氏とポーランドのオレク氏、そして日本の堀内紀子氏からは編み物と女性の繋がりを強く感じました。 

手法であるかぎ針編みと棒針編みを覚えたのは祖母、曾祖母だったり、母親からだったりと家族から教わった人が多かったですが、父親や祖父から教わったという意見はありませんでした。

ティナ氏とオレク氏からは編み物は手芸とみなされアートとして評価してもらえないという意見が共通していました。

表現することにおいて人種や性別、年齢は関係ないはずなのに女性の手仕事とみなされることでアートとして正当にみられていないという意見なのです。美しくて役にも立つ立派なアートであるという意見を持っていました。オレク氏のドイツでの作品からはあえて性的な表現を選ぶことにより編み物と女性、アートと女性への偏見のようなものの訴えを感じました。

堀内氏によるとほんの数十年前まで多くの女性が服を作っていて何千年もそうやって暮らしてきたから編み物みたいな反復の動きが女性の体には染みついていると編み物と女性の繋がりをこのように話していました。ですがどの時代もどの国でも職人は常に男だったと述べています。

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糸での表現

“糸”と“人生” それぞれの考え方

4組に共通していたのは糸を用いて表現することですが、ティナ氏とティルデ氏に共通していたのが“人生”という言葉でした。

ティナ氏はこのように述べていました。

ティナ「手芸のすばらしさはヨガに通じるものがある とても心が落ち着くし私たちの人生みたいにひと編みひと編みに意味があるの 人生も小さな歩みを積み重ねてゴールに近づいていくものだから」

映画『YARN 人生を彩る糸』より引用

小さなひと編みから心を落ち着け前に進むことを学べるといいます。無心に続けた先に得られるものがあるのだそうです。

ティルデ氏はこのように述べていました。

ティルデ「“欲することや努力をやめた時 人は人生の意味を失う”と 私が表現したいのはそれだと思った だってパフォーマーの毎日はもしかしたら無意味に見えるかもしれない ロープの上を歩く練習を繰り返す日々よ でもそれが人生であり生きることなの」

映画『YARN 人生を彩る糸』より引用

一緒に働いていたいろんな方から人生の意味を聞いたところ同じ答えが返ってきたと言います。そして自分の表現したいことに気づいたのだそうです。1つのことを続けるのは難しいけどその努力にこそ人生の意味があると言います。

またこのサーカスのパフォーマーのアレックス氏は「糸」は人生のメタファーだと述べていました。1本の糸でもありもつれたり色んな模様になったり入り組んだりとまさに人生のようだと。

オレク氏はポーランドでの社会主義の下での生活にどうしても馴染めずアメリカに行ったといいます。ポーランドではけなされたがアメリカでは表現を褒めてくれたと。なんにもない状態でアメリカに着いた時絶対成功してやると心に誓ったそうです。

オレク氏にとってかぎ針編みは自分の中での言葉でありこれでコミュニケーションをとってアイデアを形にしていく、そして自分にとって「糸」は絵具でありいろんな色の糸を縫い合わせて糸を使って絵を描いているみたいなものだと言います。

堀内氏は名前の「紀」という字が「糸」と「己」に分けれて私の人生は糸を追いかけていると笑顔で述べています。

堀内氏は「糸」を使って子供たちが遊べる空間を作りました。30代の頃に自分の作品に足りないものが何なのかを考えたのです。

堀内「布は人のために作られたのだと 心地よさのためだったり体を包んで守るために布は目覚ましく進化してきた なのに私は“人”を忘れてたの」

映画『YARN 人生を彩る糸』より引用

そしてある展覧会でハンモックを展示したところ子供がそれに乗り自分の作品の形が揺れ動いて自在に形が変化するのをみてそこで完成されたといいます。

このアーティスト達から見えてきたのは糸を用いて表現することに人生をかけているからこの“人生”という言葉がよく出てきたんだと感じました。

学んだことと書きたいこと

この映画にはまず糸を用いて表現することに人生を謳歌している4組のアーティストの姿がありました。

しかしそこには手芸とアートの間にある偏見の壁や女性と男性という性別の壁など様々な障壁がありました。

これらを取り除くのはとても容易なことではないと伝わってきます。長い年月の間にいろんなものが根付いてしまっているからです。

堀内氏の話は日本の子供たちの調査から糸の選び方の工学的思考や自然界でのよくみられる六角形と糸の関係、共通点、かぎ針編みと棒状編みの違いなど映画の中でも一番面白かったです。

数か月前に「糸」を使った展示を見に行ったことがありましたが糸にはこんな隠された魅力や問題があるなんて知りませんでした。

よかったら観てみてください。余談ですが中島みゆきさんの「糸」て曲好きです。公式サイトはこちら。

www.yarn-movie.com

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YARN 人生を彩る糸(字幕版)

予告編はこちら

www.youtube.com

 

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