『レゴ ブリッキュメンタリー』からレゴの歴史と魅力を学ぶ
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レゴの歴史と魅力から新しい可能性を感じさせてくれる映画
『レゴ ブリッキュメンタリー』からレゴブロックを通してレゴの歴史と魅力を学びました。デンマークとアメリカの映画です。この記事は※ネタバレがあります注意してください。
基本的には玩具会社LEGOの歴史やその魅力、どんなことに活用されているのかを楽しく紹介してくれるドキュメンタリー映画です。
レゴとは
僕も子供の頃遊んだことがあるレゴですが今回はそんなレゴの歴史や魅力を学べる映画と出会えたので書いていきます。まずはレゴについて少し調べてみましょう。
レゴ(デンマーク語: LEGO)は、デンマークの玩具会社、およびプラスチック製の組み立てブロック玩具のブランドである。
レゴ - Wikipediaより引用
世界中で5億人がレゴで遊んで育ったと映画では紹介されています。また地球上には1人当たり100以上のブロックが存在しているのです。
玩具会社LEGOについて
玩具会社LEGOとしての歴史を少し紹介していきます。レゴのところで書いたようにLEGOはデンマーク語です。会社名の由来は「よく遊べ」という意味のデンマーク語「leg godt」からきているそうです。
主な流れが映画で紹介されていたので簡単にまとめます。
- 1916年 オレー・キアク・クリスチャンセンが木工所を作る→火事で焼失
- 新しい木工所を作り玩具の製造の開始
- 1934年 社名をLEGOに車、列車、アヒル等の引き回しおもちゃで有名に→再び火事で焼失
- 1947年 新しい工場で木造玩具の製造をしていましたがプラスチック成形機と出会いシンプルな玩具を作る
- 息子のゴットフレッドがブロックをシステムにしてレゴシステムができる
- 1955年のブロックが現製品と接合する
- 1960年 工場が火災
- 度重なる火災にめげずに成長を続ける
- 孫のケルがミニフィギュアを開発(初期は腕がない)
- テーマがあるシリーズの販売、1分間で10万以上のブロックを製造
ざっくりこんな感じでした。もともとは木工所で木製の玩具を作成していたんですね。それにしてもこのLEGO社はとにかく火事にたくさんあっているように感じます。
息子の代で父の考え方からブロックをシステム化することに成功して孫の代でどんどん世界に広まっていったという感じでした。
- 1978年 過去に類を見ない成長
- 1990年代半ばまで順調
- 1999年頃から破滅寸前になっていきます
- 2003年 倒産の危機
3大商品のうち2つが売れなくなった事、苦手な人のために組み立てを簡単にした結果従来のファンが失望しそもそも組み立てが苦手な人はミニカーや人形を選んでいったのが理由だそうです。コミュニティーの拡大に会社は無関心でファンの買いたい商品を提供できていなかったのです。
それを変えたのがマインドストームだといいます。
デザインチーム
デザインチームの人のインタビューから色んな考え方がでてきましたが共通している部分も多くまとめてみます。
レゴというシステムの内部で考えるから可能性は無限ではないが制約があるおかげで試練とやりがいが生まれる。そして子供の心を忘ずに子供の視点で考える。子供でも年齢が違えば考え方や器用さも違う。といったことを述べていました。
そしてストーリから始まるといいます。キャラクターの人物像、生活環境などを決めることが出発点であり、そうすることで文脈がうまれ子供達に意味を与えていき想像力を解放する新しい方法を探すんだそうです。
マスター・ビルダー
マスター・ビルダーはブロックの組み立ての達人、専門家です。創造性と芸術性を追求してレゴの可能性を広げるのが仕事だといいます。
巨大なものを作る時の話がとてもおもしろかったです。コンピュータープログラムがありレイヤーを確認できるといいます。そして外からは見えませんが中は鉄筋構造になっていました。
制作までの流れが紹介されていたので簡単に書いておきます。デザイナー、モデルビルダー、技術者、技術開発者といろんな方とチームを組んでいました。
- デザインの決定
- 技術開発者により内部の鉄筋構造がくまれる
- ブロックの製造
- 組み立て
レゴのファンの多様性と用語
LEGO Fan Expoは世界各地で開催されています。そんなイベントからレゴのファンについて紹介されていました。
子供だけではなく大人にもレゴのファンは世界中にたくさんいます。大人のレゴファンのコミュニティーをAFOLと言うそうです。Adult Fan of Legoの略です。そして世界のレゴファンは独特な略称を使っていましたので紹介します。
- AFOL Adult Fan of Lego=大人のレゴファン
- KFOL Kid Fan of Lego=子供のレゴファン
- TFOL Teen Fan of Lego=10代のレゴファン
- NLOS Non Lego Significant Other=レゴ以外の重要人物
- MOC My Own Creation=独自の創造物
- LUG Lego User Group
- LTC Lego Train Club
- GBC Great Ball Contraption
- SNOT Studs Not On Top=側面スタッド技術
- POOP Parts Out Of Other Parts=別のパーツ由来のパーツ
- CRAPP Crummy Ramp And Pit Plate=傾斜と穴がある板
- BURP Big Ugly Rock Piece
- LURP Little Ugly Rock Piece
こんな感じですごい独特なのです。子供から大人までたくさんの年齢層の人に愛されているのが分かります。そして女性のファンも増えてきたそうです。ただそれまで対象が男子だったレゴは女性ファンが少なく隠語が作られるほどでした。
「1×5」=レゴコミュニティーにいる美女のことを指すそうです。理由としては1×5のブロックが存在しないためそれくらい女性のレゴファンが少ないというところからきているのだと思います。
子供のレゴファンから見た大人のレゴファンについてこんなことを言っていました。レゴで遊ぶ大人は背の高い子供だそうです。それくらい童心を忘れずに創造力を働かせ夢中になっている人がたくさんいてそれだけの人を魅了するレゴはやっぱり面白いんだと感じました。
様々なレゴの楽しみ方
数学者からみたレゴ 組み合わせは無限なのか
デンマークのコペンハーゲン大学のソーレン・アイラース教授という方が紹介されていました。数学の教授の方です。
6つのブロックの組み合わせが計算中だが1億298万1000通りというのをきいてどうやってその数値にいきついたのか考え始めたそうです。
LEGO社が考えていったのは積み上げていった場合のみで横に広げていくと可能性はさらに広がっていくと教授は言います。
そしてそれを考慮してコンピューターに6つのブロックの組み合わせを計算させた結果9億1510万3765通りあるそうです。
5つまで計算するのはそんな難しくないそうですが7,8,9,10と増やしていくとその組み合わせを計算するのにかかる時間はものすごい年月になります。
そこから言えるレゴとは
数学上の定義では有限のシステムだが人間が組み立てる時その可能性は無限に近いという面白いものでした。
マインドストームからLEGO社の復活について
MINDSTORMS(マインドストーム)は、モーターを備えたプログラムが組み込めるブロックや、センサー、レゴブロック、ギアや車軸、ビーム、タイヤと言ったレゴ・テクニックの部品の組み合わせで、ロボットや他の機械、または対話システムを組むためのレゴ社の商品セットである。
倒産の危機までいったLEGO社の流れをかえたのがマインドストームでした。MITメディアラボはコンピューターとレゴの合体に可能性を見ていたとミッチェル・レズニック氏は述べていました。
これにより伝統的なターゲットとして見ていた子供だけでなくユーザーのアイディアの存在を受け入れ大人のファンも味方につけていくことに成功していきました。
ケル氏の言葉が印象的だったので紹介します。
創造の種をまくのがわが社の仕事だ
映画『レゴ ブリッキュメンタリー』より引用
CUUSOO、LEGO IDEASから新商品の提案
西山浩平氏によって「LEGO CUUSOO(レゴ クーソー)」という日本発信のレゴ新商品の提案サイトがあり、1万票以上の支持を集めるとLEGO社がアイディアを精査し認められると商品化されました、残念ながら現在はCUUSOOサイトは終了して「LEGO IDEAS」サイトでレゴの新商品を提案を募集しています。
世界中のユーザーが商品化の希望を提示できるようになり賛同者同士でコミュニティーを構築できるようにもなりました。
独自パーツの販売
LEGO社の作らなそうなパーツを制作することによって隙間を埋めていくようなアイテムも発売されていきます。ブリックアームのオーナーのウィル・チャップ氏はレゴのミニフィギュアが装着できる武器を製造しました。
LEGO社は現代の兵器はレゴの哲学に合致しないから商品化していない、またデンマークには銃の所持が文化に根付いていないとも述べていました。
そしてウィル氏が兵器や銃のパーツを製造することにより歴史的な戦争や戦場などを表現する作品を作る大人のファンが登場してきました。
ブリックフィルム
ブリックフィルムとはレゴなどのプラスチックブロック玩具を使って作ったアニメーション映画。ストップモーション・アニメーションの一種[1]。なお、日本で「レゴブロック」と呼ばれるものは英語圏では「レゴブリック」(Lego Brick)と呼ばれており、ブリックフィルムの名称もこの名に由来する(ブリックとは英語で煉瓦のこと)。
ブリックフィルム - Wikipediaより引用
ブリックフィルム製作者の デヴィット・パガーノ氏によるとブリックフィルムには歴史がちゃんとあるそうです。特徴としてはミニフィギュアが主役のものが多いといいます。理由はいろんなポーズが取らせやすいからとのことです。
しかし既製品を使うと鼻がなくて人間に見えないなど、よりブロックの可能性、表現を重視したいと思うようになったと述べていました。
主な歴史を紹介してくださったので載せておきます。
- 1960~70年 LEGO社の宣伝映像
- 1980年代 ファンによる初作品「The Magic Portal」
- 2000年代 レゴ映画全盛期
インターネットが誕生して現代のようなレゴアニメに繋がっていくといいます。たくさんの作品があり個性的なものから有名な映画や作品を再現したものも数多く存在します。その多さはYOUTUBEで検索すればHIT数に驚きます。
鑑賞者も制作者も増えているのは単純に面白いからだろうと述べていました。
レゴ療法
自閉症療法にレゴを使用したケースも紹介されていました。マサチューセッツ州にある施設のレゴフ博士はレゴ療法を開発しました。
きっかけは待合室にいた子供二人がたまたまレゴを見せあいをしていてその光景を親がまるで奇跡のように見ていたことからだそうです。
主に3人で共同作業としてレゴを使用します。技師、パーツ提供者、ビルダーと役割を分け協力しながらという条件のもと行った結果社交的になったなどの改善がみられたそうです。
学んだことと書きたいこと
たんなる玩具の枠をこえてレゴという存在は子供から大人まで魅了する1つのツールになっていました。
そしてそれをどう表現するか、活用するかは人それぞれ違うということです。
レゴを言語と考える人もいればアートだったり数学で考えたり、病院や宇宙開発等様々なところで使用されたりとレゴは活躍しています。
人間の創造力を育ててくれるレゴはこれからもいろんな形で未来のなにかと新しいものを生み出し続けて魅了してくれるのだろうと心が躍りました。
とても面白い内容だったので是非観てみてください。
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