ニートが好きだね?

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昨日と違うニートになる。頭はたくさん動かした。手の動くままにやってみるよ。

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『サンゴ礁の冒険』のサンゴから環境問題を学ぶ

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サンゴも人間も生態系の一部と学べる映画

『サンゴ礁の冒険』のサンゴから海の環境問題を学びました。アメリカの映画です。この記事は※ネタバレがあります注意してください。基本的には減少しているサンゴ礁や世界の海で起きている異変を10ヶ月間の遠征を通して探っていくドキュメンタリー映画です。

サンゴは動物、サンゴ礁は地形

花のように綺麗な色をしていたりまるで石のようにのように見えたりいろんなサンゴがいますがサンゴは動物なのです。少しサンゴについて調べてみましょう。

サンゴ(珊瑚)は、刺胞動物門に属する動物のうち、固い骨格を発達させるものである。宝石になるものや、サンゴ礁を形成するものなどがある。

サンゴ - Wikipedia より引用

 説明にあるようにサンゴ礁を形成するものがあります。少し映画から引用します。

造礁サンゴから作られる石灰岩 がサンゴ礁という地形を形成していく そしてサンゴが重なり合って徐々にサンゴ礁は大きくなる この巨大な構造物の創造主が小さな動物だとは驚きだ

映画『サンゴ礁の冒険』より引用

つまりいろんなサンゴがいてその中に造礁サンゴっていう種類のサンゴがいるようです。そのサンゴから作られる石灰岩が長い年月をかけて巨大なサンゴ礁となっていくってことだそうです。

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実は活躍してるサンゴ

映画内でサンゴが人間にどんな風に影響を与えているのか紹介されていました。

  • 骨折の治療と健康の回復
  • 3億人以上の人間がサンゴ礁から獲れる魚に依存

それでは骨折の治療から少し調べてみます。骨についていろいろ調べていたら人工骨のところにサンゴの記載がありました。

従来は、チタンやタングステンなどの金属、セラミック、サンゴ素材など人体との親和性が高い素材が用いられてきたが、部位によっては経年劣化や使用者の高齢化による不具合の発生などにより定期的にメンテナンスを行う必要があった。
現在、日本国内で販売をされている人工骨は、非置換材料(HAP: 水酸アパタイト)、吸収置換型材料(β-TCP: β型リン酸三カルシウム)、硬化型材料(α-TCP: α型リン酸三カルシウム)が主な種類とされている。これ以外にも、コラーゲンとアパタイトの複合体からなる柔軟性を示す材料や、現在治験段階であるが、他のリン酸カルシウムを用いたものなどがある。また、炭酸カルシウムや、硫酸カルシウムなども海外では人工骨として利用されている。

人工骨 - Wikipedia より一部引用

映画によるとこのサンゴの炭酸カルシウムというのが海外の骨折の治療において利用されているようです。そしてサンゴ礁の化合物が健康回復に役立っているみたいです。

またサンゴ礁あることによりたくさんの魚が棲みつくためたくさんの人がその魚の恩恵を受けれるのもサンゴやサンゴ礁のおかげであるということです。

以下の参考サイトに他にも例がいくつか載っていました。映画でも言っていましたがまさしく“治療薬の宝庫”みたいです。

美しいだけじゃない! 実は医薬品の宝庫でもあるサンゴ礁 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト (参考サイト)

サンゴ礁でおきている異変

そんな遠征のなかある異変が起きていましたサンゴ礁が死んでしまっていたのです。そしてこれらの現象は世界中で急速に見られていると研究者は述べていました。原因を探すため30年サンゴ礁を撮影してきた夫妻と海洋生物に詳しい研究者と共に考えていきます。主な原因は3種類ありました。

  1. 海水温の上昇→褐虫藻の放出→栄養不足
  2. 外国の漁船による乱獲→共生する魚の減少→互助関係の崩壊
  3. 沈泥→日光の遮断

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最初の調査地点グレート・バリア・リーフ

そして調査のためにグレート・バリア・リーフに向かいます。オーストラリアの北東岸にある世界最大のサンゴ礁地帯です。詳しくは以下で調べてください。

グレート・バリア・リーフ - Wikipedia(参考サイト)

ここの保護区では漁が制限されその20年間の成果をオオシャコガイから確認しています。22年前に見当たらなかったオオシャコガイが10個以上見つかっていました。これはサンゴ礁が再生している兆候だそうです。

南太平洋では乱獲により大きな魚がいなくなっているなかこの保護区では巨大な魚もみられました。

サンゴと魚の互助関係

そしてここではあることが学べました。魚とサンゴは互助関係にあるのです。しかしそれに気づけるのは一方が失われた後だと嘆きます。

どのような関係かというと魚達にサンゴは生えた海藻を食べてもらっているのです。これによりサンゴは窒息を免れています。そしてサンゴは魚達に棲み処を提供しているのです。

映画内でも紹介されていたハゼとテッポウエビの共生はとても面白かったです。以下に説明してくださっているサイトがあったので読みました。

海のいきもの ハゼとテッポウエビの共生|Marine Diving web(マリンダイビングウェブ)(参考サイト)

このような種間関係は信頼のもとに成り立っているのです。

サンゴと褐虫藻

褐虫藻はサンゴの組織内で共生しているのです。そして光合成を行いサンゴの主食の糖類を作り出すという重要な役割を果たしています。つまり褐虫藻がいないとサンゴは生きられません。しかし海水温の上昇によりこの関係に異変が起きていました。海水温が2度上昇して1週間で大量の褐虫藻が放出されたのです。

それはつまりサンゴの死を意味します。述べたおとり栄養を補給してくれる存在がいなくなってしまったからです。徐々に白化し餓死します。

2番目の調査地点フィジー

実はこの場所の名前は知っていました。記事にはしていませんが過去に『トゥルーマンショー』という映画を観たときにフィジーが少し関わってきたからです。一応載せておきます。

フィジー - Wikipedia(参考サイト)

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島民以外の人が潜る時は長老の許可が必要だそうです。フィジーでも漁を制限することによりサンゴ礁を守ってきたようです。

しかしそれでも沖の方はサンゴ礁は白化しとても悲しい光景でした。漁で生きていく島民にとってサンゴ礁の白化は死活問題なのです。

主な原因は外国の漁船による乱獲、海水温の上昇でしたがそれ以外にも理由がありそうです。そのヒントは木材を運搬するために川にありました。その沈泥が向かう先にあるのがサンゴ礁なのです。

1つならサンゴも抵抗できるが3つは多すぎる

映画『サンゴ礁の冒険』より引用

解決策を求めて

泥の問題を解決しているサンゴ礁が別の島にありました。海洋の環境保全の一環として保護していたマングローブが活躍したのです。水中に伸びたマングローブの根が沈泥をからめとる役割を果たしてくれていたのです。マングローブは知っている方も多いと思います。

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そこに広がるのは健全で逞しいサンゴ礁とそこに集まる様々な生き物でした。フィジーの子供たちはこのような自然の環境の中でサンゴ礁からたくさんのことを学んでいきます。フィジーには美しいサンゴ礁と白化した両方がありました。

3番目の調査地点仏領ポリネシア

沈泥による白化のリスクは海岸に近いほど高いのか?という疑問の答えを求めて向かいます。タヒチ島とモーレア島で調査を開始します。海岸に近い条件を満たしていましたが白化現象はみられませんでした。

沿岸を開発するとサンゴ礁は荒れていきます。それは上に書いたようにマングローブ林の消失により沈泥を招くからです。しかしこの場所では何故白化が見られなかったのでしょうか。それはリゾート開発だったからです。リゾート開発は環境に配慮します。何故なら観光客が訪れないからです。

火山とサンゴ礁

火山とサンゴ礁の関係は面白かったです。タヒチとモーレアでは火山が若くサンゴ礁も海岸沿いにありました。

時間が経った火山があるボラボラ島では山地の沈下と浸食がすすみサンゴ礁は海岸から遠くなります。

そしてそれは最終的にドーナツ型の環礁というものに成っていきます。火山が海に沈みこんで輪の形のサンゴ礁だけが残されるということです。

つまりサンゴ礁の位置や形でどれくらいのものかある程度判別できるということではないでしょうか。

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ランギロア環礁へ

世界で2番目の規模を誇る環礁だそうです。

ランギロア環礁 - Wikipedia(参考サイト)

台風等の自然現象で流されてもサンゴは再生するそうです。ランギロア島には名物のオグロメジロザメがいるのですが見当たりませんを周囲を探します。このシーンは圧巻でした。

10ヶ月の遠征を終えて

彼らのサンゴ礁を失いたくない思いはとても強いものになっていまいした。そしてこの10ヶ月の遠征でサンゴ礁を保護する手段を手に入れたのです。

サンゴ礁と多くの生き物は共に生きています。サンゴ礁が死んでしまうとそれは多くの生き物に影響を与えるということです。しかし白化現象が急激に進んでいる現実があります。

そんなサンゴ礁を守るために地球温暖化の抑制も一つの対策であるということです。そして薬を生む可能性を秘めているサンゴは人間を救う可能性があるということです。

学んだことと書きたいこと

普段都会で生活をしていてサンゴと関わる機会は全くないまま生きてきましたがこれだけたくさんの生き物に影響を与えている動物なのだと初めて知りました。

見た目が綺麗で宝石になるとかお祝い事に贈るとかそのようなことしか知りませんでしたが薬になる可能性を秘めていたり実際に鎮痛剤になったり、人工骨として使われたりしています。

そんなサンゴが主に3つの原因から白化していることが今回学べました。

温暖化による海水温の上昇、漁船による魚の乱獲、沿岸の開発などによる沈泥これら共通しているのがすべて人がおこしていることが原因だということです。

サンゴは長い年月をかけてサンゴ礁として大きくなっていきました。そこには数多くの生き物との種間関係のうえに成り立ってきたものです。そして種間関係は信頼が必要だとこの映画から学びました。

僕たち人間がサンゴをパートナーとしてしっかり見つめ直す必要があると僕は感じました。最後にこの映画に登場したある方の言葉を載せておきます。

”人間は生物界の一員であり部外者ではない” 

シルビア・アール

映画『サンゴ礁の冒険』より引用

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サンゴ礁の冒険 (字幕版) (4K UHD)

予告編はこちら

www.youtube.com

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