『スイス・アーミー・マン』のハンクとメニーから故郷を通して本来の自分を学ぶ
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人前でオナラをして故郷へ帰る映画
今回は『スイス・アーミー・マン』のハンクとメニーから本来の自分を学びました。結構衝撃的な映画だったので扱いに困りましたが面白かったので記事にします。アメリカの映画です。この記事は※ネタバレがあります注意してください。
基本的には無人島で助けが来ず孤独に絶望したハルクが自殺をしようとした時、同じ島に流れ着いたメニーを見つけて共に故郷を目指して帰るという話です。ただ少し独特です。ハルクと共に故郷に帰るメニーは死体だからです。
辞書にある意味の故郷も出てきますが、この記事において緑文字の故郷は本来の自分のあるべき場所という意味で使いたいと思います。
アーミーナイフと映画のタイトル
タイトルと関連があるので紹介します。僕は知らなかったのですがアーミーナイフとはいわゆる多機能ナイフのことです。
アーミーナイフ(英: Army Knife)あるいはマルチツールナイフ(英: multi-tool knife)とは、ナイフを含むマルチツールであり、ツールナイフである。 キャンピングナイフ、多機能ナイフ、マルチパーパスナイフ、十徳ナイフ(じっとくナイフ)とも呼ばれ、機能の数に応じて「○徳ナイフ」と呼ばれることもある。
戦闘には用いないが、軍隊で日用的な目的で使用することを想定して制式採用しているので「アーミーナイフ」という俗称も用いられるようになった。
アーミーナイフ - Wikipedia より引用
そしてこのアーミーナイフの中で世界的にもよく知られているのが「スイス・アーミー・ナイフ」なのです。
つまりこの映画のタイトル『スイス・アーミー・マン』は様々な機能を持った男という映画内のメニーの特徴を指しています。
鍵になるオナラと下品さ
映画において様々なシーンで数々な下品なことが登場します。ですがこの下品とされているオナラと下ネタがこの映画においてはとても重要な役割を果たしていると感じました。なのでこういうのが苦手な方は注意してください。
オナラが伝えたいこと
映画内でオナラについて語るシーンがあるので紹介します。1時間5分くらいのシーンです。
ハルク「人前でコクのはマズい」
メニー「構わないさ」
ハルク「ヤバいよ 人は他人のオナラを嫌う」
メニー「だから君もしないの?」
ハルク「そうさ 誰もいない所でやるか やるのを我慢する これが常識だ」
メニー「悲しいことだ とても悲しい 自由を奪われるのにどうして故郷へ戻る」
ハルク「ここにいるべきかも」
映画『スイス・アーミー・マン』より引用
つまりハルクにとってオナラや下ネタは他人の前ではしないのは常識だと言います。そしてみんな誰もいないところでこそこそするか当たり前のように我慢しているのだと。
オナラも下ネタも常識的に考えて他人が嫌悪を抱くものとして扱われています。しかしメニーにはそれが理解できませんでした。
扱っている内容がオナラであるところがこの映画のおもしろい所ですがあくまでここで重要なのは自由でいられない、我慢を強いられる場所がはたして故郷と呼べるのかどうかということです。そしてそのような場所に帰る必要性があるのかとメニーは考えたのです。
多数派と少数派
常識だとハルクが言うように多くの人が我慢していて我慢をしない少数のはみ出しものは映画内で軽蔑の目で見られます。ですが自分を偽ってまで、演じてまでそこに居る価値が本当にあるのかどうかを問いかけられている様に僕は感じました。
その人によって常識は当たり前にも不気味にも変わる
少なくとも2人が当たり前のように行ってきた行動はたくさんの人にとって不気味でした。少数派の世界と多数派の世界は1つの世界でありながらも別々にみてしまう大人が大半なのです。
海辺でのシーンではハルクとメニーの行動は大半の大人には理解をこえた不気味なものであり子供と父には笑えるものであるのです。これが2つの世界が1つになった場所になっていました。そして人前でオナラができるようになったハルクとメニーは故郷へ帰ります。
学んだことと書きたいこと
この映画においてのオナラ、下ネタ、下品さは多くの大人たちが常識という世界の中で我慢を強いられている象徴として扱われていると僕は思いました。
そして学んだこととして我慢をすることにより自由でいられないような場所は故郷とは呼べないということです。
そこで演じて生きることは僕は違和感を抱えたまま生きていくことだと感じました。
しかし現実問題多くの大人はその常識のなかで生きていかなければならないのです。当然こえてはいけない線はあります。
そこを理解したうえで我慢の世界から抜け出すか抜け出さないかは本人の問題であり決意をして一歩を踏み出した人にとってはとても近い場所に実は故郷があるのかもしれません。
重ね重ねいいますがとてもおすすめしていいのか紹介していいのか難しい作品でした。オナラはたくさん出るし下ネタもわりと容赦なくあります。こういうのを気にしている時点で自分もまだ一歩を踏み出せてないのかもしれませんね。
観たい人は是非観てください。ちなみにメニーを演じているのがポッター役を演じたダニエル・ラドクリフなので衝撃は大きかったです。
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