ニートが好きだね?

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昨日と違うニートになる。頭はたくさん動かした。手の動くままにやってみるよ。

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『50回目のファースト・キス』のヘンリーとルーシーから記憶との向き合い方を学ぶ

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記憶との向き合い方を学べる映画

今回は『50回目のファースト・キス』のヘンリーとルーシーから記憶との向き合い方を学びました。先日テレビでやっていたリメイク版を観てこっちも観てみたいと思った経緯があります。この記事は※ネタバレがあります注意してください。またリメイク版と設定が違う部分があるためそのへんはよろしくお願いします。アメリカの映画です。基本的には1日しか記憶がもたないルーシーにヘンリーが毎日恋愛をして人生を過ごしていく話です。今回は記憶というものに焦点をあててみました。

長期記憶と短期記憶とルーシー

人間の記憶には様々な種類があるようです。また学問によっても違うようです。今回は映画に登場した長期記憶と短期記憶を見てみます。

 短期記憶
 保持期間が数十秒程度の記憶である。保持時間だけではなく、一度に保持される情報の容量の大きさにも限界があることが特徴とされる。
長期記憶
 短期記憶に含まれる情報の多くは忘却され、その一部が長期記憶として保持される。この保持情報が長期記憶として安定化する過程は記憶の固定化と呼ばれる。長期記憶は保持時間が長く、数分から一生にわたって保持される記憶である。短期記憶とは異なり、容量の大きさに制限はないことが特徴とされる。

記憶の分類 - 脳科学辞典 より引用

ここでは数十秒程度と短期記憶は書いてありましたが色々調べてみると数十秒から数十分、数か月、最長2年までという説もありました。

そしてルーシーはある交通事故による後遺症で長期記憶には問題ないが短期記憶は残らないという記憶障害になります。映画内では「ゴールドフィールド症候群」と医者が言っていましたがこの名称は架空の病名です。短期記憶が長期記憶にうまく変換できないという風に説明されています。また映画内でルーシーの短期記憶は1日でリセットされるというものでした。

挑戦と失敗を続けるヘンリーと事故前後のルーシー

ヘンリーはある日カフェで見たルーシーに一目惚れしてナンパをします。そして盛り上がった二人は次の日も共に朝食をとることを約束するのです。しかし上でも説明したようにルーシーの記憶は1日でリセットされます。なのでヘンリーのことは覚えておらずヘンリーはそこで彼女の記憶について知るのです。それでもヘンリーは毎日リセットされると理解しながらもあの手この手をつくしてルーシーをくどき続けます。この日々の中で事故以前の人の名前などは憶えているが事故後に出会ったヘンリーの名前は憶えていないルーシーを観ることができます。

変化しない家族と変化を与えるヘンリー

ルーシーの家族は事故後からずっと同じ日を演じ続けていました。毎日訪れる父の誕生日、何回も観るスポーツの試合ルーシーには全てが今日初めての出来ことですが家族にとっては事故からずっと演じてきた同じ毎日の繰り返しだったのです。家族はルーシーの記憶障害が変なことに利用されたり悪い男に引っかからないように守ろうとはしていたのです。しかし同時にルーシーが真実を知ることを恐れているように感じましたそこにあったのは先に進まない日常でした。家族から見ればヘンリーがなぜ娘にそこまでこだわるのかがわからず利用しようとしているのではないかと最初は疑います。しかし日々諦めずに娘へのアタックを挑戦し続けるヘンリー、そしてルーシーが彼と会った日だけ歌を歌っている姿を見て徐々に向き合い始めます。そしてあるきっかけからルーシーは真実を知ります。その日から徐々に先に進まなかった日常が進み始めます。

新しい試みと進み始めた日常

そしてヘンリーは彼女の大好きなユリの花と一緒にあるビデオテープを届けます。その一部分を紹介します。約1時間くらいのところのシーンです。

ヘンリー「全部僕の作り話だと思いたいよね?僕もだよ でも聞いて皆 君を想ってるパパもダグも このカフェの友人からのメッセージだ」

映画『50回目のファースト・キス』より引用

こうしてヘンリーは事故にあったこと、ヘンリーとルーシーが日々どうやってカフェで過ごしているか、そしてルーシーの長期記憶にいる演じるのを手伝ってくれていた人々がどんな想いでいるかを1つのビデオにまとめたのです。これを観た後にこれを観たのは何度目か聞くルーシーの自分の現在を受け止めようとしている姿にヘンリー達だけでなく僕はもう号泣してました。このテープの中のカフェの店員スーの言葉もとても素敵でした。

恋から愛へ日常だけでなく進み始めた心

そして色んな場所に行き日々をカメラで記録していきます。そんな中ある時ルーシーがヘンリーに質問をします。そのシーンを紹介します。

ヘンリー「君から質問を」

ルーシー「私を愛してる?強制じゃなくて 情報として聞いただけ 最新版ビデオ用に」

ヘンリー「いいとも“愛”は重みのある言葉だ そうだなぁ・・・毎朝カフェに行き読書中の君を見る そして・・・君をとても愛してる 人が人を愛する以上に」

映画『50回目のファースト・キス』より引用

今までプレイボーイだったヘンリーが遊びではなく真剣に、そして恋ではなく愛になったのです。最初は上手いこと言おうとしたヘンリーの口から正直に出たルーシーへの言葉でした。今までの彼の行動がまぎれもなく証明しているのです。そしてルーシーは「ファースト・キス」をします。

そこから二人はいろんな場所で「ファースト・キス」をします。これは短期記憶を忘れる彼女だからこそできる愛の形とも言えます。それをあらわすかのようにヘンリーの同僚はルーシーと同じセリフを言いきる前に波にのまれる描写がありました。まるであれはルーシーとヘンリーだからできることなんだと言わんばかりに。

そして23回目のキスでついに二人は結ばれます。ルーシーにとっては初めてのキス。平均すると12回のキスという何気ない会話が僕にはとても素敵に見えました。この夜の景色と水族館の生き物たちがまるで二人を祝福するかのように泳ぎ回る行動がとても綺麗です。本当に綺麗です。

ビデオと日記の違いそしてヘンリーの想いとルーシーの想い

ルーシーはある時ヘンリーには夢があることを聞いてしまいます。そしてその夢を自分とのために諦めているのではないかと感じたのです。そしてある決意をしてヘンリーに会いに行きます。1時間15分くらいのシーンです。

ヘンリー「その本は何?」

ルーシー「私の日記よ 毎晩書いてる」

ヘンリー「ビデオは嫌い?

ルーシー「大好きよ でも見てると時々また聞きのような気がするの 日記を読むと自分の人生の実感が・・・」

映画『50回目のファースト・キス』より引用

うまく説明できませんがなんか分かる気がします。ビデオはあくまでみんなで作ったり日々の生活のありのままを記録したものです。しかし日記には誰にも言っていない彼女だけの正直な気持ちを彼女だけで書いてきたという違いがあります。

記憶が残らないルーシーにとって誰にもいっていない彼女だけの正直な気持ちが書かれている日記にこそ自分の人生をなんとなく感じ取っていたのだと僕は思います。そしてルーシーはヘンリーのために自分の中の彼の記憶を完全に抹消することを決意します。つまり日記に残る彼を完全に抹消するということです。

そして二人で日記をパソコンで入力しながら交互にヘンリーだけの記憶のページを破り捨てていく姿はとても切ない共同作業でした。涙でほとんど見れませんでしたが。そして二人は「最後で最初のキスをします」。

出会う前に戻る日常そしてヘンリーの夢

ヘンリーはついに島を出る決意をします。その門出をいわってルーシーの父親はあるCDをくれます。それはルーシーがヘンリーと会ったときだけに歌っていた想い出の曲でした。

そして自分の幸せと夢は彼女無しでは叶えられないと感じ彼女に会いに行きます。しかしそこに居たのはヘンリーのことを忘れているルーシーの姿でした。しかしルーシーはヘンリーを自分のアトリエに案内します。

そのアトリエは夢の中の男であふれていました。そしてヘンリーは自分の気持ちをありのままに伝えます。そして素敵なラストシーンに繋がります。気になった方は是非観てください。

この映画から学んだことと書きたいこと

映画の設定上記憶は外せないワードだと思いますが僕が思ったのはこの映画でルーシーに関わった誰もがみんな自分たちなりに彼女の記憶と向き合おうとしていました。

そしてヘンリーはルーシーだけでなく周囲の人もいい意味で巻き込んでまるで皆が同じ船にのった船員のように同じ方向を向いてルーシーと記憶との問題に諦めずに挑戦し続けました。そしてそれは愛の力であると素直に思います。

僕は8年引きこもりで日々同じような生活をしてある意味記憶に残らない生活をしてきました。なぜならいつを思い出しても同じ日だからです。僕はルーシーみたいに事故ではなく自分の生活習慣からですが今では毎日色んな事に挑戦して記憶に残る日々を過ごしています。記憶との向き合い方は当然人それぞれ違います。でも各自が自分の記憶と向き合って行動することって素敵だなとこの映画から学ばさせていただきました。

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50回目のファースト・キス (字幕版)

予告編はこちら

www.youtube.com

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