ニートが好きだね?

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昨日と違うニートになる。頭はたくさん動かした。手の動くままにやってみるよ。

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『ラブリー・ボーン』のスージーから現実と天国の間を学ぶ

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現実と天国の間の世界を学べる映画

今回は『ラブリー・ボーン』という映画のスージーから現実と天国の間を学びました。この記事は※ネタバレがあります注意してください。アメリカ・イギリス・ニュージーランドの合作映画です。この映画の面白いところは主人公が死者であり死者からの目線で話が進んでいくということです。基本的に14歳で殺されてしまった少女スージーが現実と天国の間の世界から残された家族、犯人、恋人を観察していく映画です。余談ですが僕はこの映画を観始めてそれを感じた瞬間、『夏と花火と私の死体』という乙一さんの作品を思い出しました。

写真と時間の捉え方

また前にこのブログで紹介した『6才のボクが、大人になるまで。』の記事現在記事停止中)では直接触れませんでしたが時間の捉え方に通ずるようなものを感じたシーンがあったので紹介します。映画始まって数分の誕生日の贈り物にカメラをもらったシーンです。

 スージー「写真は一瞬を永遠に切り取る 一瞬が消える前に」

映画『ラブリー・ボーン』より引用

あの映画では一瞬は常に今ある時間のことだと言っていました。

この映画のセリフと組み合わせると「一瞬の集まりというのが僕たちの言う時間であり、一瞬が消える前にその一瞬を永遠に切り取ることができるのがカメラである」と僕の中で繋がりました。

というよりスージーのカメラに対する理解の仕方が14歳とは思えないです。その歳の頃は僕そんなこと考えたこともなかったです。一瞬と時間の捉え方について自分で理解度が深まったと思ったので紹介しました。

現実でも天国でもない場所

冒頭部分でスージーの人生は終わり以後は死んだ後のスージーの話に切り替わっていきます。自分には見えるのに現実とは違う世界でスージーは皆を観察します。そこでホリーという少女に出会います。

スージー「ここって天国のこと?」

ホリー「バカね」

スージー「どうして?」

ホリー「ここはまだ天国じゃない」

スージー「じゃどこなの?」 

ホリー「ここはあっちでもないしこっちでもないの」

スージー「両方なのね?」

映画『ラブリー・ボーン』より引用

こうしてスージーは自分がいま現実と天国の間にいることをホリーから気づかされます。そして先に進めば天国があるけれどスージーは自分は後ろを振り返っていると気づくのです。ホリーは地上を忘れて天国に進むべきだと言いますがスージーは地上に戻る道を探します。

そしてこの世界が現実、スージーの気持ちとまるでリンクしているかのような描写がとても素敵です。

余談ですがこの映画にはボトルシップが登場します。昔『ドラえもん』でボトルシップのアイテムがあったのを思い出しました。またこの映画ではじめてボトルシップてこうやって造るんだ!とちょっと驚きました。

残された家族それぞれの想い

そして家族のスージーへの愛情によって時としてその間の世界に接近することがあるです。しかし徐々に父親と母親はすれ違います。人々が事件をやがて忘れていくように家族の中でも事件への接し方はそれぞれ違いました。

失った娘への愛と事件への接し方にどうしていいかわからなくて弱ってしまう母親、現実を見つめる妹と祖母、父と同じようにスージーの存在を感じるが天国は存在しないと考える弟。そして娘の犯人を捕まえたいと愛ゆえに暴走する父。

少し具体的に書くと子供は2人と答える母の想いに全てが凝縮されている感じがしました。妹は恋愛を通してスージーよりも少し先に進みます、とにかく怪しい人を調べ上げ担当の刑事に連絡する父を観察して死んだ後も現実は進んでいくというなんとも言えない気持ちを感じました。

父の想いはなかなか実らず証拠を見つけられないままやがてそのエネルギーは復讐へと変わります。その父に味方をするようにスージーも自分の想いをホリーにぶつけます。そして感情とリンクするかのように間の世界も天気が荒れていました。1時間30分くらいのシーンです。

ホリー「あの男に負ける気?あの男から解き放たれなきゃ」

スージー「知ったような口きかないで!私の命を奪った男よ!」

ホリー「今に分かるわ いつかあなたも理解する 人は皆 死ぬ」

映画『ラブリー・ボーン』より引用

そして復讐からはなにも生まないと理解します。父を止めようと必死に声をかけますが当然聞こえません、そしてこの復讐は意外な形を迎えます。

そして天国へ

スージーは自分がこの間の世界にいることが現実の家族を苦しめていてそれを解放するために天国を目指すことを決意します。その間に死者の声を一人ずつ聞いていくシーンがあるのですがなかなかショッキングです。

そして天国へたどり着きますが1つやり残したことがありもう一度間の世界に戻ります。そのシーンで僕は泣いちゃいました。

全てがハッピーエンドになる映画ではないので人によっては後味が悪く感じるかもしれませんが僕は現実と天国、そしてその間にある世界というとても不思議な経験を体感できてとても美しい映画だと思いました。

この記事では家族側を中心に触れていてあまり触れませんでしたが当然犯人の心情もスージーは観察しています。気になる方は是非観てみてください!

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ラブリー・ボーン (字幕版)

予告編はこちら

www.youtube.com

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