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『太陽と地球に隠された秘密』から太陽と太陽が地球に及ぼす影響について学ぶ

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太陽について分かりやすく解説してくれる映画

『太陽と地球に隠された秘密』から太陽についてと太陽が地球に及ぼす影響について学びました。この記事は※ネタバレがあります注意してください。

基本的にはBBCプレゼンターであるケイト・ハンブル氏とヘレン・チェアスキ氏がいろんな施設を訪ねてその分野の博士の方々と共に太陽の仕組みや地球に及ぼす影響に迫るドキュメンタリーです。

太陽について

映画の話に行く前にとりあえず太陽について調べてみました。過去記事でもお世話になりましたがJAXA宇宙科学研究所がやってる子供向けの解説サイトが僕には分かりやすいので今回もここで調べます。

太陽はわたしたちの銀河系にある恒星こうせい のひとつで、地球にもっとも近い恒星です。直径は地球の109倍、体積は130万倍近くもあります。その中心部の温度はなんと1600万度! はげしい 核融合かくゆうごう反応がおこり、ぼう大なエネルギーを生み出しているのです。そのエネルギーが光と赤外線(熱)となって地球にふりそそいでいるため、わたしたち生物は生きていけるのです。

太陽・太陽のすがた│宇宙ワクワク大図鑑│宇宙科学研究所キッズサイト「ウチューンズ」より引用

このサイトで学べることと映画の内容は結構被ってる部分が多かったです。次に地球について調べてみます。

地球について

地球は太陽系の3番目の惑星、私たちが今いる天体です。地球はほかの惑星と比べるとちょっと変わった天体です。大気中に酸素があり、表面に大量の水があり、強い磁場をもち、火山や地震じしん、プレート運動など 地質的な活動がとても活発です。 そしてなにより、私たち、生命がいます。

地球・地球の見え方│宇宙ワクワク大図鑑│宇宙科学研究所キッズサイト「ウチューンズ」より引用

地球についてもとりあえず同じように調べてみました。前提知識をこれくらいにして映画の話に進んでいきたいと思います。

太陽と地球

11年周期  極大期と極小期

イギリスのオックスフォードシャーにあるラザフォードアップルトン研究所のリチャード・ハリソン博士が解説してくださいました。

ラザフォード・アップルトン・ラボラトリー(Rutherford Appleton Laboratory、略称RAL)は、イングランドのオックスフォードシャーのチルトンにあるハーウェル・サイエンス・アンド・イノヴェーション・キャンパスに属する科学研究所。名称は、アーネスト・ラザフォードとエドワード・アップルトンから来ている。

ラザフォード・アップルトン・ラボラトリー - Wikipediaより引用

博士によると太陽は11年周期で変わっているといいます。そして太陽の動きが活発になる時期を極大期、穏やかになる時期が極小期と呼ばれこれらが11年の周期で回っていると言います。そしてそれを判別する一つの方法として皆既日食があります。

皆既日食とコロナ

2012年の11月オーストラリアのケアンズという場所で天文学者のフランシスコ・ディエゴ氏とプレゼンターは皆既日食を観測しました。日食は月が太陽の光を遮ることで起こります。少し調べてみましょう。

 皆既日食かいきにっしょくは月が太陽の光球面全体をかくすもので、月が地球に近づいているときに、月の影かげの中心部分で見ることができる日食です。

太陽・太陽と日食│宇宙ワクワク大図鑑│宇宙科学研究所キッズサイト「ウチューンズ」より引用

皆既日食が観れるのは偶然の重なりだと言います。地球は皆既日食を観察することができる太陽系でただ1つの惑星なのだそうです。理由を説明します月の大きさと距離に関係がありました。

月の大きさはざっくりですが太陽の400分の1で地球からの距離も400分の1なのです。だから月と太陽は大きさが同じに見えぴったり覆いつくすことができるのだと言います。ちなみにこの距離が遠くなることによって月が小さく見え太陽を覆いきれなくなり光のリングのようなものが現れます。それを金環食といいます。

ぴったり覆いかぶさった時に最も外側の超高温の大気が観れるようになります。それがコロナです。そのコロナの広がり方で極大期と極小期を見分けることができます。

極小期時のコロナの写真では光の線がはっきりしていたのに対しオーストラリアで撮影した写真では光の線がはっきりしておらず全方向に向いていました。それは太陽の表面の動きが活発であることを示していると言います。つまり2012年の観測時は太陽は極大期だったそうです。

太陽の中心部

何故このような周期があるのか理解するために太陽の中心部について調べていきます。しかし実際に太陽の中心部に行くことはできません。どのように調べるのかは太陽の光にヒントがありました。

太陽の質量は1.9891×1030kgでこれは太陽系の質量の99.85~6%を占めていると言います。つまり太陽系から太陽をとってしまうとほとんど何も残らないみたいです。そしてこの巨大な質量があることによって太陽光が生み出されていくのです。

太陽は強い重力によりいくつかの特徴の違う層に分かれています。対流層、放射層、中心核です。こればっかりは画像のほうが分かりやすいと思います。

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画像出典元:https://www.kids.isas.jaxa.jp/zukan/solarsystem/sun02.html

太陽・太陽のしくみ│宇宙ワクワク大図鑑│宇宙科学研究所キッズサイト「ウチューンズ」

対流層では高温の気体が下から上へと移動しています。その下の放射層は熱を上へと運びます。放射層の50万kmほど奥に中心核と呼ばれる部分があります。

中心核は太陽全体の重力がかかるため圧力がとても高くなります。最初の太陽の部分にもありますが温度は1600万度にもなります。ここで光が作られるのです。

太陽の光と核融合

より詳しく調べるためにプレゼンターはアメリカにある国立点火施設を訪れます。

 国立点火施設(National Ignition Facility、NIF)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州リバモアのローレンス・リバモア国立研究所にある、レーザー核融合実験施設である。

国立点火施設 - Wikipediaより引用

中心核で核融合が起こることによって太陽の光は生まれます。中心核部分の温度と圧力が非常に高く水素の原子がぶつかりあって大きくなります。これが核融合反応(軽い原子核同士がくっついてより重い原子核に変わること)と呼ばれるものです。少し調べてみます。

核融合反応は、太陽が光輝きエネルギーを放射している原理であり、世界の科学技術を結集して取り組んでいる核融合研究は、「地上に太陽をつくる」研究とも例えられます。
核融合の燃料としては、軽くて燃えやすい水素の同位体である重水素と三重水素(トリチウム)を用います。重水素と三重水素の原子核を融合させると、ヘリウムと中性子ができます。このとき、反応前の重水素と三重水素の重さの合計より、反応後にできたヘリウムと中性子の重さの合計の方が軽くなり、この軽くなった分のエネルギーが放出されるのです。

核融合について:文部科学省より引用

文部科学省のページではこのように紹介されていましたが僕にはちょっと難しいです。ただ国立点火施設で行われていたのはまさにここに書かれている「地上に太陽をつくる」研究でした。わかりやすく説明してくれているサイトがあったので載せておきます。

核融合へのとびら / 自然科学研究機構 核融合科学研究所(参考サイト)

国立点火施設のベス・ゼニティス氏は核融合の実験に使う水素のカプセルの研究をしていました。そのカプセルに192本のレーザー光線を同時に照射することで中の温度と圧力が高くなり水素原子が激しくぶつかり合うことによって核融合反応を引き起こさせます。疑似的に太陽の環境を作り出すのです。

192本のレーザーはターゲットチャンバーに集光することでカプセルに同時に照射することを可能にします。この実験に必要な圧力は地球表面の気圧の3400億倍だと言います。

ただ問題がありました。それは太陽の環境を再現するためには核融合反応を継続させなければならないからです。そして地球で再現するためには1億度という温度を維持しなければならずそのための物質が当時まだ開発されておらず短い時間しか維持ができませんでした。

太陽の光とプラズマ

中心核で生まれた太陽の光を追っていきます。太陽の光はすんなり地球に向かってくるわけではないようです。

まず発生した光の粒子は太陽の表面に向かい始めるわけです。ですが中心核から表面まで進むまでにプラズマという太陽全体に存在する電気を帯びた粒子が集まっている気体に進行を邪魔されます。

こうしてプラズマにぶつかりながらも表面にむかって数十万km移動します。光の速さだけで考慮するなら2秒半でたどり着ける距離のようですがぶつかりながら進むため表面までに実際にかかる時間は1万年~長い時で100万年かかるそうです。

表面を飛び出し宇宙にでた光は1億5000万km離れた地球に8分で到達します。正直この8分の前に1万年~100万年という長い年月があることがこの映画で一番驚きました。

核融合と周期

太陽の中心核では絶えず核融合が起こっているにも関わらず太陽には極大期、極小期と呼ばれる周期が存在しています。その理由を太陽物理学者のルーシー・グリーン博士が解説してくれました。

太陽の中心で核融合が起こるととても高い熱を発します それによってやがて電気を帯びるようになります これがプラズマです 温まった部屋の空気が熱を運んで循環する対流と同じような現象が太陽の内部でも起こります 内側で温められた気体が太陽の表面にあがってくるんです 

映画『太陽と地球に隠された秘密』より引用

 このプラズマが上へ下へと移動することにより強力な磁力が働いている磁場という場所ができあがります。そして太陽は地球と同じように時点しているため横方向にも流れます。この縦だけでなく横の流れもくわわることで磁場に大きな影響を与えます。

とても強い磁場が太陽の表面から宇宙に飛び出すようになります。それにより動きの激しい極大期の状態になっていきます。

磁場が安定した状態が極小期の時だそうです。これが11年という周期なのです。

極大期と太陽風  ある天体現象

太陽風とは電気を帯びた粒子の流れです。地球には強い磁場があるため太陽風の侵入を防いでいます。ちょっと調べてみます。

太陽風(たいようふう、英語: Solar wind)は、太陽から吹き出す極めて高温で電離した粒子(プラズマ)のことである

太陽風 - Wikipediaより引用

もう少し調べてみると以下のサイトで解説されていました。難しいです。

ユーザーガイド | 太陽・太陽風 | 宇宙天気予報センター(参考サイト)

磁場により防がれていた太陽風ですが一部が北極や南極に侵入しある天体現象を引き起こします。ある程度予想できると思いますがオーロラのことです。映画では北極圏のスウェーデン、ラップランドでオーロラを撮影していました。

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オーロラは太陽風が目に見える形になったものなのです。太陽風が地球の磁場と出会うと電気を帯びた粒子を北極や南極から送り込みます。その粒子が地球の大気とぶつかって美しい色に輝いて画像のようになるわけです。

極大期はオーロラの絶好の時期であり良く晴れた月のない夜を選ぶのがぽいんとだそうです。

コロナ質量放出と太陽嵐

オーロラの話の中で地球にも磁場があることがわかりました。しかし太陽から電気を帯びて放たれた粒子によってそれが破壊されてしまう危険性はないのでしょうか。そんな疑問にリチャード・ハリソン博士と考えていきます。

太陽の表面で起きる大爆発により大量のプラズマの塊が宇宙に放出されます。それをコロナ質量放出と呼ぶそうです。調べてみます。

コロナ質量放出(コロナしつりょうほうしゅつ、Coronal mass ejection、CME)とは、太陽活動に伴い、太陽から惑星間空間内へ突発的にプラズマの塊が放出される現象。

コロナ質量放出 - Wikipediaより引用

先ほどのサイトにもコロナ質量放出について説明がありますが難しいです。映画では太陽の大気中に含まれるヘリウムを捉えた映像から噴き出ている様子が分かりました。極大期に頻繁に起こり太陽系で最も高いエネルギーが発生します。

そのため地球の磁場を破る力を持ったまま来ることがあります。それを太陽嵐と呼びます。

太陽嵐(たいようあらし、英語: solar storm)とは、太陽で非常に大規模な太陽フレアが発生した際に太陽風が爆発的に放出され、それに含まれる電磁波・粒子線・粒子などが、地球上や地球近傍の人工衛星等に甚大な被害をもたらす現象である。

太陽嵐 - Wikipediaより引用

過去に被害がでた事例も一緒に紹介されている記事がありました。

過去70年に観測された10倍規模の太陽嵐が、2600年前に発生していた | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト(参考サイト)

映画でも紹介されましたが1989年カナダで2003年にスウェーデンで太陽嵐による被害が出ています。大規模な停電がおこり数万人に被害が出ました。

そんな太陽嵐を監視している機関があります。アメリカコロラド州にある国海洋大気庁(NOAA)の宇宙天気予報センターです。日本版で同様に監視しているサイトがあったので載せておきます。

swc.nict.go.jp

現在の太陽の様子を把握することができます。また過去の記録や速報なども残っているので良かったら見てみてください。後に少し紹介する黒点等も見れます。

アメリカコロラド州にある宇宙天気予報センターでは太陽の表面に現れる黒い斑点、黒点の変化を観ます。その様子からどの程度深刻な被害が出るのかを予測しています。コロナ質量放出にも注意していると言います。これにより放出されたプラズマが地球に向かってくるかどうかを判断します。

11年周期と新たな周期と磁場

黒点は天文学者が望遠鏡が出来る前から存在が知られていて何世紀にもわたって研究されてきたと言います。そして11年周期とは違う周期が存在する可能性が黒点から見えてきたのです。

太陽の磁場を直接見ることができないため黒点を観察することで太陽の磁場の動きを推測したのです。太陽が極大期に近づくと磁場が乱れ内部のプラズマの動きも変化します。それにより太陽表面には温度の低い部分ができます。それが黒点です。

つまり黒点を観察することで磁場の様子がわかるということになります。アメリカのアリゾナ州にあるマクマス太陽望遠鏡で天文学者のマット・ペン博士が解説してくれました。

アメリカ国立太陽天文台が運用する世界最大の太陽観測用塔望遠鏡。この望遠鏡は米国キットピーク国立天文台に設置されている。口径203cmのヘリオスタットにより太陽光を極軸に平行な方向に向いた塔望遠鏡の中に導き、その後に口径160cmの主鏡を持つ望遠鏡と平面鏡で光を垂直下方向に向けて結像させて、地下に作られた搭状の真空分光器に高分散スペクトルを取得できる。観測波長は0.3-12μm。この望遠鏡による重要な発見は、黒点外の静穏領域の中に直径150km程度で1キロガウス程度の磁場をもつ微細磁束管の存在を偏光観測より示したことである。

天文学辞典 » マクマス-ピアス太陽望遠鏡より引用

The McMath-Pierce Solar Telescope(参考サイト)

博士によると極小期の黒点の数は5個以下ですが極大期には100を超えることもあると言います。そこで博士は黒点の数と内部の磁場の関係を調べました。黒点の数が増えると太陽の活動が激しくなるのかそれとも関係が無いのかという答えを求めて。

博士は光の波長から黒点の磁場の強さをはかり3000か所ほど調べました。その結果、黒点内部の磁場の強さは太陽の活動周期によって強くなったり弱くなったりすると考えられていましたが実際には関係なく弱まり続けていたということが分かりました。
2000年は磁場が強かったですが徐々に黒点の数が減っていく一方です。

つまり11年周期とは違う長いパターンもあるということが見えてきたのです。17世紀には70年にわたって黒点がほとんど消えている記録がありました。つまりこれから地球は長い極小期に入っていくのではないかという見方です。

太陽嵐が減るといえますが気候に影響が出る側面もあります。これで映画の話は終わります。

学んだことと書きたいこと

基本的な太陽の仕組みはとても分かりやすく説明されていましたが『太陽と地球に隠された秘密』と言いつつもあくまで太陽主体に感じました。

難しい数式等を多用するわけではなく大まかな太陽の仕組みと流れを知る分にはじゅうぶんだと感じました。

また宇宙科学研究所の子供向けサイトで調べることでより理解が深まりました。

同時に宇宙天気予報センターの存在が知れたのは嬉しいです。何か気になった時に太陽の様子を調べる術を見つけました。

やはり一番驚いたのは中心核で光が生まれそれが表面に出てくるまでに1万~100万年という途方もない年月が既に経過しているということでした。

てっきり表面の光が8分くらいで届いてるものだと思っていたのでそこが知れたのは大きな収穫です。

『ある天文学者の恋文』の星の様な恋愛に以前素敵だなと思いましたがそこに深みがましたような気がします。

そして『自律神経をリセットする太陽の浴び方』でセロトニンを学んだ時とは違うような形で太陽を学べたのは個人的にとても面白かったです。

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太陽と地球に隠された秘密 (吹替版)

 

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