『シング・ストリート 未来へのうた』のコナーから未来派を学ぶ
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バンドを組んで夢を叶えるため突き進む話
今回は『シング・ストリート 未来へのうた』のコナーから未来派を学びました。この記事は※ネタバレがあります注意してください。アイルランドの映画です。80年代の音楽の知識が豊富な方はそういう楽しみ方ができると思いますがそちらの考察等は他の方がやってくださっているので、今回は閉塞された空間から抜け出すことに焦点をあてています。基本的には1985年のアイルランドのダブリンを舞台にしていて大不況による父の失業で荒れたシング・ストリートという学校に転校させられます。その場所で出会った人々とバンドを組んで未来を目指していくという流れです。
時代背景1985年のダブリン
時代背景に大不況のダブリンから抜け出し50km先に見えるイギリス、ロンドンを目指すというものが垣間見れるシーンがいくつかあります。ここは閉塞された空間から抜け出すという意味においては重要なことだと感じたので少し触れました。
バンド「未来派」
バンドを組む際にエイモンにジャンルを聞かれるシーンがあります。17分くらいのシーンです。
エイモン「ジャンルは?」
コナー「さぁ・・・」
エイモン「それも決めてないのか?好みは?」
コナー「未来派だ」
エイモン「つまり?」
コナー「レトロの真逆だ 後ろを振り返らずに前を見る」
映画「シング・ストリート 未来へのうた」より引用
勢いでバンドを組むことになったコナーはとくに計画をたてていたわけでもなくとりあえずバンドに未来派というジャンルを設定します。そして当時流行していたMV(ミュージックビデオ)を仲間と制作していくのです。音楽ヲタクの兄ブレンダンの協力によりコナーはどんどん知識を吸収していきます。
ラフィーナ「“悲しみの喜び”を知って それが愛よ 喜びと悲しみは一緒なの」
映画「シング・ストリート 未来へのうた」より引用
そして兄から1枚のレコードを渡されます。The Cureの『In Between Days』という曲です。恋愛の中の複雑な環境の気持ちを歌っている曲ですがラフィーナの気持ちはこの曲に登場する様な人だったのだなと僕は解釈しました。
そしてコナーはここから自分はどんな状況に置かれても自分であるべきであり、自分の中でやれることを全力でやることを気づき始めたと感じました。そしてあるMVの制作中あることを学びます。50分くらいのシーンです。
ラフィーナ「撮った?」
ダーレン「バッチリ」
ラフィーナ「よかった」
コナー「泳げるの?」
ラフィーナ「いいえ」
コナー「なぜ海へ?」
ラフィーナ「作品のためよ 何でもハンパはダメ分かった?」
映画「シング・ストリート 未来へのうた」より引用
兄のブレンダンからも言葉では同じような事を学んでいましたがラフィーナが目の前でそれを行動で見せることによりコナーは本当に理解したように感じました。そしてギグを迎えます。バンドの曲を発表する機会です。その中でのバラードがとても正直に彼女への想いを綴っていて綺麗でした。
そして最後にしっかり学校の校長に対して反抗していました「茶色い靴」という曲です。昨日学んだthe manへの反抗がさっそく登場しました。そしてギグが終了しラフィーナを連れて兄と会話するシーンがあります。1時間35分くらいのシーンです。
コナー「準備はできてるんだ」
ブレンダン「いいとも いつだ?」
コナーとラフィーナ「今すぐ」
ブレンダン「今すぐ?英国に知り合いは?」
コナー「いない」
ブレンダン「金は?」
ラフィーナ「ないわ」
コナー「ない?」
ラフィーナ「ない」
コナー「でも写真がデモとビデオも」
ブレンダン「出発だ」
映画「シング・ストリート 未来へのうた」より引用
ここの兄めっちゃ好きです!そしてここに未来派が完成したように感じました。
学んだことと書きたいこと
僕が解釈した未来派は未来を切り拓くために自分を信じ続けてやれることを真剣に全力で取り組み目的に必要な変化を素直に受け入れながら今すぐに行動するということです。
この映画はそれを当時の音楽と当時の時代背景を通して教えてくれたように思います。全体的にどの登場人物も当時の大不況による地元に閉塞感を感じながら抜け出したいとそれだけでなくありのままの自分でいられない閉塞された空間から抜け出したいともがいているように僕には見えました。
未来を切り拓いていく弟と同じ目標を持つもこの空間から抜け出すことのできない兄という対比でみるのも面白いかもしれません。当時の音楽の知識がない僕でも十分楽しめる作品でした。
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