ニートが好きだね?

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昨日と違うニートになる。頭はたくさん動かした。手の動くままにやってみるよ。

ニートが好きだね?

『ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界』のジンジャーから生きることを学ぶ

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来ないかもしれない明日を守るために生きる映画

『ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界』のジンジャーから生きることを学びました。イギリス、カナダ、デンマーク、クロアチアの4カ国で制作された映画です。この記事は※ネタバレがあります注意してください。基本的には冷戦時代に突入したロンドンでジンジャーという少女が複雑な問題を抱えながら生きていく物語です。

簡単な時代背景と冷戦

結構関連してくるため書いていきます。まず冷戦とは何だということで調べました。

 冷戦(れいせん、英: Cold War、露: Холодная война)もしくは冷たい戦争(つめたいせんそう)は、第二次世界大戦後の世界を二分した西側諸国のアメリカを盟主とする資本主義・自由主義陣営と、東側諸国のソ連を盟主とする共産主義・社会主義陣営との対立構造。米ソ冷戦や東西冷戦とも呼ばれる。

冷戦 - Wikipediaより引用

またこの映画の冒頭シーンは広島に落とされた原爆の映像から始まります。これも調べて載せておきます。

 広島市への原子爆弾投下(ひろしましへのげんしばくだんとうか)は、第二次世界大戦(太平洋戦争)末期の1945年(昭和20年)8月6日午前8時15分、アメリカ軍が日本の広島市に対して世界で初めて核兵器「リトルボーイ」を実戦使用した出来事である。これは、人類史上初の都市に対する核攻撃である。

広島市への原子爆弾投下 - Wikipedia より引用

なぜこの2つを調べたかというとジンジャーは1945年に生まれます。そして17歳になった1962年のロンドンから物語は始まっていくわけです。主な時代の流れを以下にまとめます。

  • 1945年 広島原爆投下、第二次世界大戦の終結、ジンジャーの誕生
  • 1962年 キューバ危機

正直この17年の間にものすごいことが起きているわけですが映画では省略されていたのとあくまでジンジャーの心に焦点をあてたいので割愛します。

戦争は終わったけれどアメリカ側とソ連側に分かれて競うように核開発、実験を行い両国が戦争を行う寸前までいった時期です。

ジンジャーとローザ

ジンジャーには親友のローザが居ます。ささいなことで笑い合いたくさんの体験をしていく時もいつも一緒にいました。しかしこの2人には相違点もたくさんあります。

ジンジャーは核兵器廃止に活動的で詩を好み恋愛は奥手。

一方ローザは核兵器に対しては教会で祈り、見た目に気を使い恋愛は積極的。そんな風に僕には見えました。

YCND

CNDとは核軍縮キャンペーンのことを指します。

核軍縮キャンペーン(かくぐんしゅくキャンペーン、英語: Campaign for Nuclear Disarmament、CND)は、1957年に設立されたイギリスの反核運動団体。核廃絶運動、核兵器撤廃運動などとも訳される。

核軍縮キャンペーン - Wikipedia より引用

YはYoungの略で若い世代のCNDということでYCNDになります。ここの集会にジンジャーとローザは参加していくわけです。上のリンクに飛んでいただければわかりますがここでシンボルになっているのが後のピースマークです。

以前『フィールド・オブ・ドリームス』の記事の中でピースマークについては紹介しましたので良かったらそちらも読んでみてください。 

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そして徐々に“活動家”としての彼女が現れてきます。

ジンジャーの両親とローザの両親

ジンジャーの父ローランドは自由奔放で恋愛においても法律においても自分の思うままに生きていました。

なかなか帰らないローランドが他の女性と仲良さそうにいる姿に母ナタリーの心は徐々に締め付けられていきます。そしてあることがきっかけでローランドは家を出ていきます。

つまりナタリーはローランドの女性関係に疑いを持ちつつもただ夫に愛されたいだけなのですがローランドにとってそれは“感情的強迫”でありローランドの生き方の障害になっていました。

そんな中ローザはローランドに理解を示します。何故ならジンジャーとローザは互いに自分の母親達に対してうんざりしていたからです。

徐々にすれ違うジンジャーとローザ

ジンジャーが核の動きや活動に興味を示していく中でローザはローランドに惹かれていきます。そしてだんだんと2人は別々の道を歩み始めていくのです。

母ナタリーとの生活に耐えられなくなったジンジャーはローランドと一緒に住み始めます。しかしその生活の中で目の前で繰り広げられるのは父親と親友の不倫というものでした。

居場所のために泣きながらその現実と闘うジンジャーの姿には言葉が出ませんでした。

活動家として突き進むジンジャー

ジンジャーは百人委員会というものに参加しようとします。

その後、彼はイギリスにおいて核廃絶を求める運動を展開、そのためのグループ「百人委員会」を結成。国防省前で抗議のための座り込みを行い、そこで再び逮捕されています。

http://zip2000.server-shared.com/bertrandrussell.htm より引用(参考サイト)

ここでいう彼というのが映画内でジンジャーが言うラッセルのことです。ラッセルに関しては以下に載せておきます。

バートランド・ラッセル - Wikipedia

命を守るためにより行動がエスカレートしていきます。

分裂と許し

やがてローザがローランドの子を妊娠します。その秘密を抱えたジンジャーは心に大きな爆弾を抱えたのです。そしてこの誰にも言えない爆弾により全てが分裂していきます。

デモに参加したジンジャーはベラと合流するも警察によって引き離され投獄されます。そして人類が滅亡するかもしれない脅威と誰にも言えない秘密という2つの爆弾に挟まれ彼女の心が壊れます

この秘密を話したことによりローランドとナタリーは分裂しジンジャーとローザも分裂しローザと彼女の母親の関係も壊れました。そしてナタリーは薬を大量に飲み自殺を図ります。

生きることを求めていたジンジャーはそれぞれの違いを認め詩を通して許しました

学んだことと書きたいこと

冷戦のことを詳しく学ぶというより冷戦時代のイギリスの少女という立場から核ミサイルの脅威で常に死を意識しながらも必死に活動してその時代を生き抜いていく姿を映画にしている様に感じました。

そんな世界の終わりを迎えようとしている中でとるべき行動に正解は存在するのでしょうか?

この映画に登場した人々はジンジャーと同じように核ミサイルにより死を意識しながらも自分の生き方を貫いている様に感じました。

後から見れば善や悪に見えてしまうかもしれないですが、ジンジャーが言っていたようにその恐怖を生き抜くためには信じるものがそれぞれに必要だったように思います。

そしてそれが活動のエネルギーになる者、愛を求める者と違う形で現れただけなのです。だからジンジャーは許すことができたのではないでしょうか。

全員に共通していたのは形は違えど核の恐怖に打ち勝ち生き抜こうとしていたことです。

実際にはジンジャーが17歳になるまでの間にたくさんの歴史的な出来事が起こっています。言えない秘密という心の爆弾と核、そしてアメリカとソ連の対立のように各々の人間関係がどんどん対立していく様子がなんとなくシンクロしているように感じました。またたくさんのジャズの名曲が流れる映画でもあるのでそういう楽しみ方もあるとおもいます。

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ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界 (字幕版)

予告編はこちら

www.youtube.com

 

ロシアの核実験場での出来事を描いた映画はこちら

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アメリカの公民権運動について分かる映画完結 

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